従業員の副業兼業をどう考えるか

皆さんの中にも副業や兼業をされている方もいらっしゃるかと思います。

 

いま政府では「働き方改革」の一環として、副業兼業対するガイドラインを策定し、推進しようとしています。就業規則の中に、労働者の副業兼業を認めることを記載することが原則とされています。

 

これは、働き方の多様性への対応、先進国最低となっている生産性の向上、人材不足への対応などが目的とされています。ある見方では今後不足するとみられる社会保障を賄うためとも言われています。捉え方は人それぞれかと思いますが、皆さんは副業兼業についてどのように思われますか。

 

経営者の方でしたら、すでに自分の会社以外からの収入を得たり、数社の経営に携われている方もいらっしゃいますが、ここで考えたいのは、もしあなたの会社の従業員が他社で収入を得る場合のことです。

 

いま一度あなたの会社の就業規則を見てください。

 

たいていの会社は副業兼業を禁止もしくは、消極的に認めるというような形になっているかと思います。家業が農業であったり、自営業であったりする従業員が家業の繁忙期に手伝いをすることは慣例的に認めている場合が多いのではないでしょうか。

 

ここで素直な疑問としては、家業なら認められて、他の会社で別の収入を得ることがなぜ許されないのかということです。

 

そこには他社への情報漏洩や事務処理の煩雑さ従業員の働きすぎによる健康問題などが心配され、得られるメリットより失うリスクの方が大きいとみられるためです。

 

わたしの考えとしては、基本的に就業時間以外をどのように使うかは管理されるものではないと思いますし、また個人の可能性を広げるためにも副業兼業は認められてしかるべきものと考えます。もちろん副業の方の収入が本業より多いのであれば、そちらを本業にすればよいのです。

 

会社からとれば、せっかくここまでお金をかけて教育し、その結果他社にその能力を流用され、外部に人材が流出することに抵抗を持つ気持ちもわかります。しかしながら、そのような考えを持つより、逆に積極的に認めるほうが得策ではないかと考えられます。なぜなら、副業兼業を現実にする方は会社が思うより少ないものと思われます。確かに副業兼業に対するあこがれは多くの方がもたれてはいますが、収入が問題なかったり、時間的に余裕がなかったり、今の仕事が好きなど会社にとどまる理由は多くあります。さらに他の会社でも通用するような社員をたくさん育て上げることができれば、自社にとっても能力の高い人材が多くいることになり自社にとっては良いことではないでしょうか。また、自由度が高くそれだけ鷹揚に構えている会社は、従業員にとってもまた他社からの人材にとっても魅力的に見えるものです。

 

 

従来の考え方に囚われずに、新しい考え方のマイナス面ばかりを観ずプラスの方に流用する。そのほうがより生産的で有意義なことなのです。